続・夫が初観劇の感動を書き綴ったレポート【BADDY・前編】
前回のレポート、沢山の方にお読みいただけて嬉しいびっくりでした。
ありがとうございます。
BADDYの感想を読みたいと予想外に嬉しい反応をいただきまして、またまた夫が自主的に書き綴った『BADDY』のレポートを載せたいと思います。
宝塚とは縁遠いおじさんが書いたものなので、ファンの方々からしたら不快に思ったり見当違いなことを言っているかもしれませんが暖かい心でお読みいただけたれば幸いです。
あといちいち例えが古いのだがこれでも平成生まれである。
〜第二幕〜ショー・テント・タカラヅカ〜
【BADDY-悪党は月からやって来る-】
待ってました!
これぞ宝塚版の『デモリションマン!』
〜聞いていた前情報はこちらのことだった〜
〜とんだ勘違いをしていたぜ〜
ここはピースフルプラネット地球、世界統一され、戦争も犯罪も全ての悪が鎮圧された地球に月から大悪党がカチコミに来るわけだ。 それを正義の捜査官が阻止するというストーリーである。
蓋を開けてみれば全然デモリションマンでも無かったわけだが、確かに通ずるものはある。 この構図なんて瓜二つである。
第一幕では真っ直ぐなアオヤギ青年を好演していたタマキくんが本物のアウトローとしてド派手に暴れまわるのだが、こちらとしてはさっきまでとのギャップに戸惑いを隠しきれない。
『おまえ、なにワルぶってんだよ。 ホントはどこまでも真っ直ぐな好青年じゃないか…』
と、戸惑うばかりである、、
そもそもワンピースにこんなやついたな。
そうドフラミンゴだ、ほら、なんとなくソックリだ、 あぁスッキリした。
これが私の第一印象であった… しかしタマキくん、タバコを美味そうに吸うな。愛煙家からしたら、 地球上が全て禁煙という現状に耐えられないだろう。
心中お察しする。
煙草をふかしながら破天荒に暴れまわる
その姿は、 勝新太郎が再来したかのような高揚感に襲われる。
そう思ってしまうほど、このタマキくんという男は見ていて気持ちがいいのである。
まさにカリスマ。
人を惹きつけてやまない。
そんなカリスマということで、正義の捜査官である ちゃぴちゃんはアウトローのタマキくんにハートを射止められてしまうわけだ。
無理もない。
まぁお約束のように禁断の恋が始まるわけだ。
そしてちゃぴちゃんとやらは相変わらず可憐だ。
ちゃぴちゃんは本当にかわいいので、
当然のようにちゃぴちゃんに淡い恋心を抱くやつがいる。
それがこの男だ。
なんだ、この、今にも武勇伝武勇伝とか言いだしそうなチャラ男みたいなやつは。
身の程を知れっ!
……と思ったのだが…… この男、とんでもないキーマンであった…
なんとこのメガネくんは、ちゃぴちゃんの気を惹きたいが為に、アウトローの仲間入りを果たすのだった… しかもそのアウトローの資質は筋金入りで、第一幕で高野悠を演じていた生粋の アウトローのスイートハート様が
『君こそが本物のアウトロー!』
と、認めるほどであった。 …確かこんな感じ。
あんまりちゃんとしたセリフは覚えてないのだが、とにかくこのメガネくんは、 アウトローの代名詞である主人公のタマキくんですらできないことをやってのけたのである。
それは、
『アジトを大爆発させる』
というハリウッド式のパフォーマンス!
この日1番のアウトローは、 バッディ扮するタマキくんでもなく、 第一幕で高野悠扮するミヤくんでもなく、 好きな娘の気を惹きたいが為に無茶苦茶やるこのメガネくん、いや、メガネさんだったのだ… 本日のMVPである。
好きな娘の気を惹きたいが為にアジト大爆発を実行に移すことができるのは間違いなく彼だけだ。
第一幕で私が感じた、
『男の美学』
『不良の美学』
はこんなところでも垣間見れたのだ。
宝塚歌劇団、恐るべし。
前情報の『ほぼデモリションマン』は結局デマだったのだが、 全体を通して見れば、確かにスタローンの魂がここにはあった…
宝塚歌劇団もまた、 『男の教科書』 だったのである。
タマキくんとスタローンを見比べても、 もはや違いは煙草か葉巻かだけであって、ほぼ瓜二つである。
とにもかくにも、 この宝塚歌劇団という存在は、 私が好きなものと根っこの部分は同じだと知ることになった。
彼女たちの演技は、
ジェームズ・ディーン、マーロン・ブランドのような孤高さがあり、
クリント・イーストウッド、スティーブ・マックイーンのような渋みがある。
彼女たちの踊りは、
ブルース・リー、ジェイソン・ステイサムたちの マーシャルアーツを見ているようである。
彼女たちの歌は、
エルヴィス・プレスリー、ボブ・ディラン、カート・コバーン、 矢沢永吉、甲本ヒロト、ベンジー、チバユウスケたちのような純度の高さがある。
これらを踏まえて、宝塚歌劇団というのは
『素晴らしい総合芸術』 という結論に至った。
(つづく)